鶏と七面鳥

Overseas24
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皆さんこんにちは。アメリカ大好き自由の番人Oです。


2021年もあっという間に12月になりました。アメリカでは2020年12月14日から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。今では60%ものアメリカ国民が2回以上の摂取を終えています。一方でオミクロン株の感染者がカリフォルニア州で見つかる等まだ収束の兆しは見えません。


2019年末から拡大が始まったこの新型コロナウイルス、2年近く経った今も感染拡大が続いておりますが、ワクチンや飲み薬の登場により2022年こそ収束に向かって欲しいと切に願っております。


さて12月といえばアメリカではクリスマスに向けた準備が始まります。サンクスギビングが11月の第4木曜日にあり、その後一気にクリスマスムードが街を彩ります。以前はMerry Christmas!と人々が声を掛けていましたが、様々な宗教観を持った人々もいるという事でHappy Holidays!と呼び方が変わったりする等、時代に合わせてアメリカも変化しています。


そんなアメリカのクリスマスですが、日本と大きく異なる点がいくつかあります。まず1つ目はクリスマス休暇の時期です。


日本ではクリスマス休暇というものは存在しませんが、年末年始に休暇を挟むことが多いと思います。会社によって様々ですが、例年12月27日頃から1月3日頃まで休みである事が多いようです。一方のアメリカ、国民の約8割がキリスト教徒であるとされておりますので、キリスト教の重要な記念祭であるクリスマスを祝う為に例年12月20日頃から休暇に入る事がおおいようです。しかしこのクリスマス休暇、日本とは開始時期だけが異なるだけではありません。先ほど述べました通り日本では三が日として1月3日までお休みがある事が多いですが、アメリカは1月2日から働き始める事も珍しくありません。1月1日だけがお休みという事ですね。クリスマス休暇が早く始まっていいなと思う一方、1月2日から働き始めると聞くとお正月特番や駅伝大会を炬燵に入ってみかんを食べながら見る感覚はアメリカ人には中々分からないだろうなぁと思います。


日本とアメリカで大きく異なる点の2つ目がクリスマス休暇を誰とどう過ごすかです。


日本ではクリスマスと言うと友人や恋人同士で過ごすイメージがあるかと思います。一方のアメリカ、クリスマスは基本的には自宅で家族同士で過ごす方が多く、外出自体あまりしない傾向にあると思います。外出をしても礼拝の為教会に向かうだけ等の限定的なものです。これはやはりクリスマス自体がキリスト教のお祭りという事が大きく作用しているのではないかと思います。


クリスマスはそもそもイエスキリストの降誕を祝うものであります。家族や教徒同士でイエスの降誕(誕生ではありません)をお祝いする日です。その為、当時アメリカに住んでいた時は学校はもちろん、仕事も休みの時期でしたので24日、25日共に外出は殆どせずに、自宅で家族と過ごす静かなものでした。


一方の日本、クリスマス休暇の時期でも触れましたように、クリスマスの時期はまだ殆どの方が通常通り就業されている事と、そもそものキリスト教徒の数が日本は人口比で1%にも満たないという圧倒的な少なさなので、商業的なイベントである側面が非常に強く反映されていると思います。


日本とアメリカで大きく異なる点の3つめがどのような食事をとるかです。


日本ではフライドチキンを食べる方が多いようです。これは世界的に見ても日本くらいでしか確認されていない習慣(?)のようです。またクリスマスケーキと言えばイチゴショートケーキを連想する方が多いと思います。


一方のアメリカ、休暇を誰と過ごすかでも述べましたが、家族同士で過ごす事が多い為家庭料理が並ぶことが殆どのようです。マッシュポテト、鳥の丸焼き、ローストビーフ等が一般的です。この鳥の丸焼きは鶏ではなく七面鳥や鴨、アヒルが使用されます。ではどうして鶏ではなく七面鳥等を食べる習慣があるのでしょうか?それは当時の畜産業や食生活等が関係しています。


当時七面鳥を始めとした鴨等の家禽は新鮮で手に入りやすく、そこに住むコミュニティの人々の飢えを満たすには十分な大きさだった為、経済的な犠牲が最小限で済む事が要因だと考えられています。勿論牛等も飼育されていましたが、牛は19世紀後半に食肉用として広く普及するまでは牛乳や農作業の為に飼育されているのが殆どでした。また、鶏も当時飼育はされていたものの現代ほど安価で大量に手に入るものではありませんでした。また、雄鶏は食肉としては固かった為あまり好まれず、雌鶏は玉子を生む限り価値があるとされていた為簡単には屠畜されませんでした。諸説ありますが、こうした背景がありアメリカでは今でも七面鳥等の家禽をクリスマスに食べます。


またクリスマスケーキも日本のような生クリームケーキではありません。チェリーやパイナップル等のドライフルーツ、ナッツ類を多く含んだフルーツパウンドケーキが伝統的に多く「出回ります」。というのも昨今のアメリカ人はこのフルーツケーキを好まないどころか嫌いな人が多くいると言われています。ジョークの一つで、この世界にはフルーツケーキは1個しか存在しない。何故ならフルーツケーキを貰った人は誰かにプレゼントしてを延々と繰り返しているからだ、なんていうのもあるくらいで、受け取りたくないという人が多いようです。これには色々と理由がありまして、そもそものレシピ自体が非常に古い為味があまり良くない事や、時間が経つと固くなってしまう事等があるようです。ただ当時は保存食という側面もありますので、現代版にアレンジするレシピもあります。


今年はまだ新型コロナウイルスの影響がある為例年のような忘年会やパーティーは行いませんが、来年のクリスマスには日常が戻ってくるよう今は感染症対策をしっかり行いましょう!

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